着ているだけで上半身の運動効果が得られ、猫背改善など姿勢を良くする効果もあることから、加圧シャツが巷で大きな話題を呼んでいます。
伸縮性に富むスパンデックス繊維を素材に採用している加圧シャツは、体にぴったりとフィットする適度な締め付け感が命です。
スパンデックス繊維の寿命は2年から3年と言われていますが、使用頻度や扱い方によっても寿命が大きく左右されます。
特に洗濯の際は着用時以上に加圧シャツの生地が劣化しやすく、洗い方を誤ると加圧シャツの生命線となる伸縮自在の特性が損なわれかねません。
加圧シャツには洗濯の方法にいろいろと禁止事項がありますので、やってはいけない洗濯方法について解説していきます。
正しい洗い方とともに、加圧シャツを長持ちさせる脱水方法や乾かし方も紹介します。
Contents
加圧シャツは手洗いが理想
たいていの人は衣類の洗濯に自宅の洗濯機やコインランドリーを使い、特殊な洗濯方法が必要な衣類や大切な服のみクリーニング店を利用しています。
加圧シャツもインナーとして日常的に着用する衣類ですので、洗濯機で洗うのが普通だと思いがちです。
しかしながら加圧シャツは普通のシャツと比べて生地がデリケートにできており、洗濯機で他の衣類と混ぜて無造作な洗い方をするとダメージを受けてしまいます。
洗濯機で普通の感覚のまま洗った加圧シャツは購入当初の伸縮性を失い、毛玉ができたり型崩れしたりするようになるのです。
加圧シャツはできる限り洗濯機を使わずに、手洗いで優しく汚れを落とすことで最も長持ちさせることができます。
繊維にダメージを与えない洗い方
加圧シャツを手洗いする場合でも、洗い方を誤ると洗濯機で他の衣類とまとめて洗うのと変わりありません。
汚れが目立つ場合はどうしても両手をこすり合わせるようにして洗いがちですが、そういった摩擦も繊維を傷める原因となります。
加圧シャツは見た目が小さく上半身を締め付けるように作られているため、脱いだり着たりするのに苦労している人も少なくありません。
そうした着脱の際に爪を立てると生地を傷めてしまうほど加圧シャツの繊維はデリケートですので、手洗いをするときも爪を立てるような洗い方はNGです。
振り洗いや押し洗いを基本として優しく洗い、洗った後も強く絞らないようにすれば生地へのダメージを減らすことができます。
加圧シャツを洗うにはおしゃれ着洗剤が最適
衣類は一般にお湯で洗った方が汚れも落ちやすくなりますが、加圧シャツは熱に弱いという性質を持ちます。
たいていの加圧シャツでは水の温度を40℃以下にするよう表示されていますので、冬場に手洗いする場合でもお湯を使って洗うのは避けなければなりません。
白の加圧シャツは黄ばみが目立ってくるため漂白剤を使いたくなりますが、塩素系漂白剤の使用も禁止事項の1つです。
加圧シャツを洗うのに使う洗剤は生地への負担が軽い中性洗剤がベストの選択肢で、それもおしゃれ着洗剤と呼ばれるタイプの洗剤が適しています。
おしゃれ着洗剤はアルカリ性の洗剤と比べて洗浄力では若干落ちますが、色落ちや縮みなどが発生しにくい点が特徴です。
洗濯機で洗う場合の注意点
加圧シャツは手洗いが推奨されるとは言え、忙しい人にとっては手作業で洗濯する時間がなかなか取れないものです。
加圧シャツの洗い方としてベストとは言えませんが、洗濯機で洗おうと思えば洗えないこともありません。
手洗いでていねいに洗う場合と比べると加圧シャツの耐久性が若干落ちる可能性があるとは言え、工夫次第では少しでも長持ちさせることはできます。
生地へのダメージが少ないおしゃれ着洗剤などの中性洗剤を使用し、漂白剤を使わないようにする点は手洗いの場合と共通です。
洗濯機には「標準コース」や「手洗いコース」「スピードコース」のコースがありますが、「手洗いコース」を選べば加圧シャツへのダメージが小さくなります。
洗濯機によっては「ドライコース」または「おしゃれ着洗いコース」などと表示されているのが生地への負担が軽いコースです。
洗濯ネットの利用は必須
洗濯機を使って加圧シャツを洗う場合に、生地を傷めてしまう最大の要因は他の衣類との接触によって生じる摩擦です。
これを避けるためにも、加圧シャツを洗濯機で洗う際には100円ショップでも買える洗濯ネットが必須となります。
加圧シャツを洗濯ネットに入れることで他の衣類との摩擦を大きく減らせますが、洗濯機の中に衣類を詰め込みすぎると、洗濯ネットに入れていても生地へのダメージは避けられません。
加圧シャツを洗う場合は洗濯ネットに入れた上で他の衣類もできるだけ少なくするのが、生地を少しでも長持ちさせるコツです。
洗濯ネットに入れる際に加圧シャツを裏返しにすれば、摩擦によって生じる色落ちや毛玉を抑えることができます。
ドライクリーニングやウェットクリーニングも不可
洗濯機を使う場合でも加圧シャツを洗うには以上のようにさまざまな制約があるため、洗うのが面倒だと感じる人も少なくありません。
それならいっそのこと、少々お金がかかってもクリーニング店に任せた方が楽だと思いがちです。
しかしながら加圧シャツはドライクリーニング禁止と指定されている商品が大半で、高度な技術を要するウェットクリーニングもたいていの商品は不可となっています。
クリーニング店に加圧シャツを持ち込むのはおすすめできませんので、面倒でも洗濯機か手洗いで洗うようにしたいものです。
汚れが落ちにくい場合でも水に洗剤を溶かして加圧シャツをしばらく浸けておけば、洗濯機の手洗いコースでも落ちやすくなります。
加圧シャツを長持ちさせる脱水と乾燥方法
洗濯機を使う場合でも手洗いを選んだ場合でも、加圧シャツを洗った後は乾かす際にも注意が必要です。
前述の通り生地へのダメージを避けるため、加圧シャツを手洗いをした場合でも水を切る際には雑巾のように強く絞るのが禁物でした。
強く絞らずに効率よく脱水するには、バスタオルで加圧シャツをはさむようにして水分を吸い取るのも1つの方法です。
伸縮性に富んだ機能性繊維が使われている加圧シャツだけに、脱水や乾燥も普通のシャツと同じ感覚でやっていてはせっかくの機能が失われてしまいます。
少々手間をかけてでもていねいに水分を吸い取ることで、加圧シャツならではの締め付け感を長く保つことができるのです。
加圧シャツを乾かした後でアイロンを使う場合は、80℃から120℃の低温に限定されます。
熱に弱い繊維が使われている点を考えると、加圧シャツにアイロンをかけるのはできるだけ避けた方がいいでしょう。
ドラム式乾燥機で乾かすのはNG
次善の策として洗濯機を使った場合に陥りがちな誤った乾燥方法は、ドラム式洗濯機の乾燥機で加圧シャツを乾かしてしまうことです。
衣類を回転させながら熱の力で衣類を乾燥させるという点では、コインランドリーの乾燥機も同じ方式が採用されています。
この乾燥方法だとただでさえ繊維がデリケートで傷みやすい加圧シャツに熱と摩擦という二重の力が加わるため、伸縮性が損なわれたり縮んだりする可能性があります。
ドラム式乾燥機は使わず、加圧シャツをハンガーにかけて日陰干しするのが理想の乾かし方です。
生地にダメージを与える日光を避けても扇風機の風に当てるだけで乾きやすくなり、速乾性の加圧シャツなら時間もそれほどかかりません。
複数枚をローテーションで使うのが長持ちのコツ
以上のように加圧シャツは洗濯方法にしても乾燥方法にしてもいろいろと気を使う必要があって、特殊な繊維を劣化させずに洗うのはなかなか大変です。
そうやって生地に極力ダメージを与えないようにしながら洗うことで、2年から3年が寿命と言われる加圧シャツを少しでも長持ちさせられるのです。
それも1枚の加圧シャツを繰り返し何度も洗濯して使い続けるよりは、複数枚を購入しておいてローテーションを組みながら着用した方が1枚1枚への負担が軽くなります。
購入当初の伸縮性と締め付け感を長く保って運動の効率を高める機能を維持していけば、加圧シャツを着用することで得られる健康効果もそれだけ長期間にわたって継続されるのです。
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